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航法メッセージによる GPS衛星の位置の求め方 其2」で2次元空間上でのGPS衛星の位置の求め方をお話いたしました。さてようやくですが、3次元空間上でのGPS衛星の位置を求めてみましょう。

まず、地球上のGPS受信機により、衛星位置は利用されますので、基準座標をGPS衛星の楕円軌道上の中心から地球の中心に移動させ、以下の図のようなイメージで座標空間を設定します。

図11
図1

図1は地球を赤道面で真っ二つに割ったイメージで、赤道面中心から、春分点方向にx軸、赤道面中心から北極点方向にz軸をとります。この時、必然的にy軸方向は決定します。

さて、ここで、前回お話した、楕円上の衛星位置(x',y')を求める式を以下の通り、地球中心とした形に変更します。

数式12
数式1

これに関しては問題ないと思いますが、x'とy'とダッシュをつけたのは、3次元での軌道でのx,yとは異なるためです。
まずは次の図を見てください。

図12
図2

なんかややこしい図がでてきましたが、まず頭をやわらかくして、聞いてください。図2に軌道面とあります。これは、GPS軌道の平面を表します。そして、この軌道面ですが、3次元上では、図のように、赤道面からみて傾いています。

ここまで、くるとなんとなく分かりますが、2次元上のGPS衛星の位置(x',y')について軌道面を斜めに向けた時の位置にしてやればいいわけです。

さて、3次元に座標を変換するための軌道パラメータが与えられていなければなんにもすることができませんので、ここで、簡単に航法メッセージより得られる軌道面に関する軌道パラメータを、紹介すると、

昇交点赤経Ω、軌道傾斜角i、近地点引数ωがあります。これはすべて角度をあらわし、図2に記述している通りで、これが決定すると軌道面の傾きがわかるわけです。とはいえ、なんかぴんとこないので、次のように考えると分かりやすいです。

「3次元の軌道面は、2次元の軌道面をz 軸回りにω 回転させ,続いてx 軸まわりにi,z 軸回りにΩ 回転させたものである」

こうすると感覚的にわかりますよね。よって回転行列を用いて、以下のようにGPS衛星の3次元座標上の位置(x,y,z)を求めることができます。

数式12
数式2

2次元面ではz軸は存在しませんので0になります。尚、ここでは回転行列の説明はしません。ただ、回転行列の概念は3Dをやる上では結構あそべるネタです。

一応、基本的な求め方はこれで終了なのですが、正確なGPS衛星の位置を計算するための軌道パラメータ要素は実際にはまだあり、これだけの計算では不十分と言えます。この話はまたの機会とします。

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